
【ポイント① 創業の動機】「なぜこの事業を?」熱意と経験を伝える
記入例 10年間のイタリアンレストラン勤務で培った調理技術と接客経験を活かし、地元食材の魅力を伝える地産地消のレストランを開きたい。地域の生産者と消費者を繋ぐハブになりたいという強い想いがある。
熱意だけでなく、経験もきちんと伝えることが重要です。
【ポイント② 経営者の略歴】「経営者の略歴」「あなたに任せられる?」これまでの経験が事業にどう活かせるかをアピール。
ポイント①の経験をさらに具体的に掘り下げて記入するのがこの項目です。役職・業務まで具体的に記入するのがポイントです。
記入例 2015年~2020年:株式会社ABCレストラン(都内イタリアン)にて調理担当。前菜からメインまで一通り経験。 2020年~2025年:同社 銀座店にて副料理長。調理に加え、原価管理、仕入先選定、アルバイトの育成にも携わり、店舗運営のノウハウを習得。
【ポイント③商品・サービスの強み】「他と何が違う?」セールスポイントを明確に
「あなたのビジネスならではの魅力」を伝えよう。 強みは「 差別化」「 ターゲット」「 提供価値」 の3つの視点で考えると分かりやすい!
差別化: 競合と比べて何が優れている?(例:品質、価格、立地、接客、スピード)
ターゲット: その商品は”誰”のためのもの?(例:年齢、性別、ライフスタイル、悩み)
提供価値: 顧客は何を得られる?(例:時間の節約、特別な体験、悩みの解消)
記入例
強み: 地元契約農家から毎朝仕入れる有機野菜と、シェフ(自分)の10年の経験を活かした創作イタリアン。
ターゲット: 健康と食の安全に関心が高い30~50代の女性グループ、記念日を祝うカップル。
提供価値: 都心に行かなくても、本格的で身体に優しい料理と、ゆったりとした時間を楽しめる「非日常体験」。
【ポイント④ 資金計画】「何にいくら必要?」必要な資金と調達方法を具体的に。
融資担当者は費用の妥当性を見ています。どんぶり勘定はNG!「何に」「いくら」必要か、漏れなく現実的な金額を積み上げましょう。(見積書や実勢価格を参考に)
「調達する資金」については、前回の投稿記事で述べさせて頂いたように、「自己資金」が重要視されます。 また「必要な資金」と「調達する資金」の合計額を一致させることもお忘れなく。
【ポイント⑤ 収支計画(見通し)】「本当に儲かる?」売上や経費の根拠を示す。
「その収支計画、 絵に描いた餅じゃない?」 希望的観測ではなく、自社の強みと市場環境をふまえた、根拠のある数字の積み上げが信頼に繋がります。 各数字に「なぜそう言えるのか?」という根拠を持たせることが重要。
具体例
・客単価 (例:競合店の価格調査、自店の提供価値、テスト販売やシミュレーションから設定)
・客数 (例:立地の人流データ、席数、回転率、宣伝効果から算出)
・原材料費 自社で一度試算する。
・固定費 家賃や人件費その他経費は、契約に基づき記載。
【総括】
創業者の「熱意」、そして確かな「キャリア」に裏付けられたビジネスの「差別化」。この2つの強みを「具体性」のある計画書に落とし込むことができれば、その想いは必ずや融資担当者に伝わり、資金調達という良い結果に繋がるでしょう。
【その他 重要事項】
住宅ローンなど個人債務(携帯電話の分割払含む)については正確に漏れなく記入しましょう。提出頂いた本人確認書類により信用情報機関へ照会、記入していない債務が出てくると、担当者は不信感を抱く可能性があります。また返済状況なども判明するので、遅延督促された経歴のある方は申込は非常に厳しい状況にあります。また、住宅ローン以外の個人債務については非常にシビアな眼が向けられます
また、いわゆ個人無担保ローン(リボ払い・カードローン等)の残債は、皆様が思っている以上に審査の印象はよろしくありません。
自己資金で繰り上げ返済されようとする方もいらっしゃいますが、審査重要ポイントになる「自己資金」を減らす行為となるので、慎重な判断が必要です。